池井戸潤さんの小説、半沢直樹シリーズ3作目「ロスジェネの逆襲」を相関図化して解説します。
人の動きだけでなく、作中ではわかりにくかった粉飾決算による資金還流に関しても図解化しているので分かり安くなっています。
ネタバレを含みますので、小説、ドラマを楽しみたい方は引き返してください。
小説を読んでから確認でこのページを見てもらえるともっと楽しめると思いますよ。
半沢直樹第3弾『ロスジェネの逆襲』を相関図付きで解説!
2020年の春からついに続編ドラマが決定している半沢直樹!
第三部であり春から始まるドラマの原作でもある「ロスジェネの逆襲」についてまとめました。
タイトルのロスジェネとは
タイトルとなっているロスジェネとはロストジェネレーション世代のことであり、バブル崩壊後の約10年間あった就職氷河期を体験した世代。つまり、バブル崩壊の被害者とも言える世代のことを言います。
年代で言うと 1970年~1982年頃に生まれた世代 のことを言います。
半沢直樹はバブル入行組なので、その下の世代のことを言います。
ちなみに、作中では森山雅弘という半沢の部下がロスジェネ世代であり、「ロスジェネの逆襲」の準主役と言って良いでしょう。
ドラマ版では誰が演じるのか注目したいところです。
振り返り
忘れてしまった人のために、前回のラストを超ざっくりと振り返ります。
- 伊勢島ホテルの担当になった半沢直樹は、その裏で糸を引いていた大和田常務の存在を突き止める。
- 親の敵でもあった大和田常務の不正を突き止め、謝罪させる。
- 昇進するかと思いきや、子会社である東京セントラル証券へと出向を言い渡される。
ということで、「ロスジェネの逆襲」は半沢が東京セントラル証券へと出向した後の話です。
ロスジェネの逆襲・ネタバレあらすじ
登場人物
東京セントラル証券
東京中央銀行の子会社
半沢直樹……営業企画部長・東京中央銀行からの出向組
森山雅弘……営業企画部調査役・プロパー社員(出向ではなく生え抜き社員)
諸田祥一……営業企画部次長・東京中央銀行からの出向組
三木重行……営業企画部調査役・東京中央銀行からの出向組
東京中央銀行
日本最大の銀行
中野渡譲……頭取
三笠洋一郎……副頭取
伊佐山泰二……証券営業部長
野崎三雄……証券営業部次長
東京スパイラル
新興のIT企業
瀬名洋介……東京スパイラルの社長・ワンマンの気質があるがカリスマ性を持っている。
加納一成……戦略担当役員・社長のやり方に反目している。
清田正伸……財務担当役員・社長のやり方に反目している。
電脳雑伎集団
平山一正……社長・合理主義者のワンマン経営
平山美幸……副社長・社長夫人でもあり社員を家来だと思う傾向にある
玉置克夫……財務部長・社長のやり方に反対するも・・・
序章
東京セントラル証券で働く半沢直樹の元にIT企業である電脳雑伎集団からライバル会社である東京スパイラルを企業買収したいという依頼がある。
敵対的買収ということであまり乗り気ではなかった半沢だが、部下に買収方法を検討させた。
しかし、電脳雑伎集団に買収プランをもっていくと『遅い』という理由で契約を解除されてしまった。
東京中央銀行の奇襲作戦
半沢が働く東京セントラル証券と手を切った電脳雑伎集団が頼ったのは、メーンバンクである東京中央銀行の証券営業部であった。
東京セントラル証券で半沢の部下であった同じく銀行から出向組であった諸田が、この買収案件を東京中央銀行に持ち込み、その代わりに自分たちを銀行に戻してもらうという裏切り行為があったのです。
そして電脳雑伎集団のアドバイザーになった東京中央銀行が行った作戦は時間外取引を利用しての奇襲攻撃であった。
東京スパイラルの社長・瀬名洋介と反目しあって会社を飛び出した加納一成と清田正伸から株を購入し、時間外に東京スパイラルの株価を三割弱取得し、株式公開買い付けを行います。
東京スパイラルの対応
突然の裏切りと敵対的な買収に驚いた東京スパイラルの社長・瀬名。
その瀬名のもとに太洋証券の人間がアドバイザー契約を結びにやってきます。
そのアドバイス内容は新株を発行して、善意の第三者企業であるフォックス社つまりホワイトナイトに売却することで、電脳雑伎集団に株式の過半数購入されることを防ぐという案でした。
太洋証券のアドバイス案に対して懐疑的な瀬名社長は、保留します。
ここから先は作品の大きなネタバレにつながります。
小説を読んでから見ることをオススメします。
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まとめ
理不尽な出向によって、子会社へと出向した半沢直樹でしたが、どこで働こうともそのスタンスは変わりません。
そして「ロスジェネの逆襲」のロスジェネとは半沢直樹の一つ下の世代です。そしてIT産業がより活発になった世代でもあります。
半沢直樹は自分が見出した働き方の結論をロスジェネ世代の後輩・森山雅弘に託します。
そして森山は新しい価値観を模索することになります。